平成24年度 事業報告ならびに収支報告
2013/06/06
NPO法人TEAM二本松
平成24年度 事業報告ならびに収支報告
平成24年度 事業報告ならびに収支報告
【平成24年度事業計画項目】
1.食の安全を守る為の、食品放射能測定室に関する事業
2.子どもたちの被曝量を軽減する為の、定期的な一時疎開の促進に関する事業
3.放射能への知識を深める為の、放射能有識者を呼んでの講習会に関する事業
4.原発被災地「福島」の復興を図る為の、スポーツイベント・親睦に関する事業
5.屋外で活動のできない福島の子どもの体力向上の為の、スポーツ教室に関する事業
6.地域の放射線量を下げる為の、除染作業に関する事業
7.「福島産」の風評被害を軽減する為の、特産物の販売に関する事業
下記、各項目の事業報告。
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1.食の安全を守る為の、食品放射能測定室に関する事業
『概要』
23年度は、12月の「明治ステップ(粉ミルク)へのセシウム混入発見」に伴い、知名度が上がり、全国から測定依頼が殺到した。12月末から3月初旬にかけて、多い時では日に30件近くの測定依頼があった。年度が変わり4月に入ってからは測定依頼の件数も落ち着いたが(二本松市を中心に2日に1件程度)、世間の放射能への意識が高くなるにつれて、より精密な測定結果が求められるようになってきた。
7月、仙台在住の個人の方からの御寄付で、ホールボディーカウンターを導入。
8月、真宗大谷派本山からの御寄付で、ゲルマニウム半導体検出器を導入。既存のNaIシンチレーション検出器では検出限界値が5ベクレル/kgであったが、ゲルマニウム半導体検出器では検出限界値1ベクレル/kgまで測定可能になった。
ホールボディーカウンターは総重量5トン、ゲルマニウム半導体検出器は総重量2トンである為、測定室の大掛かりな補強・改装工事が必要となった。また、最適な測定環境を整える為、空調設備も必要であり、両機器を搬入設置後、9月から工事を始め12月中旬までかかった。
工事完了後、1月から両機器を本格的に運用開始。食品測定は可能な限りゲルマニウム半導体検出器で行うようにし、ホールボディーカウンターは二本松市内の幼稚園児から優先して、幼稚園ごとに測定を開始した。
『会計報告』
〈収入〉
・食品測定料金 ¥219,000
・内部被ばく検査料金 ¥270,000
・ホールボディーカウンター設置費用としての御寄付 ¥50,000,000
〈支出〉
・ホールボディーカウンター設置費用 ¥46,119,412
・食品測定に関わる経費 ¥103,189
・測定室改装工事費 ¥2,005,065
・測定室家賃 ¥605,040
・測定室光熱費 ¥165,536
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¥1,490,758
2.子どもたちの被曝量を軽減する為の、定期的な一時疎開の促進に関する事業
『概要』
この事業に関しては、県外の受け入れ施設と県内の一時疎開希望者とを繋ぐ、斡旋や調整といった準備段階の業務に携わっている。
春休み・・・①京都保養コース
期間:3月30日~4月4日
受け入れ施設:大谷大学 湖西キャンパス
参加人数:63名
②こどもの集いコース
期間:4月4日~4月6日
受け入れ施設:東本願寺 同朋会館
参加人数:54名
夏休み・・・①北海道旭川市
期間:7月28日~8月5日
受け入れ施設:光明寺
参加人数:31名
②北海道東川町
期間:7月31日~8月8日
受け入れ施設:永楽寺
参加人数:31名
③広島県神石郡
期間:7月21日~7月31日
受け入れ施設:サンワの森ログコテージ
参加人数:13名
④熊本県合志市
期間:7月18日~7月24日
受け入れ施設:菊池恵楓園
参加人数:28名
冬休み・・・愛知県名古屋市
期間:12月22日~12月29日
受け入れ施設:名古屋東別院
参加人数:57名
『会計報告』
この事業に関わる経費は、全て、受け入れ団体負担もしくは参加者個人負担により、会計報告事項はなし。
3.放射能への知識を深める為の、放射能有識者を呼んでの講習会に関する事業
『概要』
3月16日、二本松市竹田の竹根コミュニティーセンターにて、内部被ばく検査の現状につての講習会を開催した。二本松市でアドバイザーとして内部被ばく検査に携わってこられた木村真三先生をお呼びする予定であったが、体調不良により欠席となり、代わりに二本松市健康増進課の方にお越し頂いた。
また、放射能への意識を高めてもらうことを目的とし、二本松市竹田地区に、リアルタイムの空間放射線量が確認できるモニタリングポスト電光掲示板を設置した。4月には同朋幼稚園に、6月にはポケットパークに設置。
『会計報告』
〈収入〉
なし。
〈支出〉
・モニタリングポスト設置費用 ¥1,396,500
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-¥1,396,500
4.原発被災地「福島」の復興を図る為の、スポーツイベント・親睦に関する事業
『概要』
2月23日、二本松市岳温泉あだたら体育館にて、東京・福井からラグビー講師10名を招き、ラグビー教室を開催した。小学生・幼稚園児合わせて20名にタグラグビー教室を、福島高校・安達高校のラグビー部員合わせて40名にラグビー教室を行った。
『会計報告』
講師の交通費等、全て個人負担の為、会計報告事項はなし。
5.屋外で活動のできない福島の子どもの体力向上の為の、スポーツ教室に関する事業
『概要』
この事業に関しては、まず、「原発事故以前の放射線量(0.05マイクロシーベルト/h前後)の環境を身近に作る」ということを目標に、本年度は活動した。
5月、二本松市街から車で15分程の距離にある岳温泉地区に空きグランドを借り、除染を始める。除染前は0.6マイクロシーベルト/h以上であったが、重機による表土剥ぎ除染と、グランド周辺の高圧洗浄機による除染で、除染作業を終了した6月中旬には0.08マイクロシーベルト/hまで下げることができた。重機による除染には、3回にわたり福井からボランティアの方々が来て下さった。
6月中旬、除染作業終了後、芝植え作業に入る。合計7回、ボランティアで、色々なグループ・団体・個人の方々が、芝植え作業をしに来て下さった。
7月から8月にかけて、芝生養生の為にスプリンクラー設備を整えた。
雪が積もり芝生が休眠期に入る11月から3月の期間以外は、週二回の水撒き(夏期には毎日)・月二回の肥料散布・週一回の芝刈り、などの作業をしている。また、実際に子どもたちが遊びに来た時の為に、簡易プール・休憩所なども設営した。
10月、なんとか芝生も根付き、同朋幼稚園の運動会にグランドを貸し出すことができた。また、10月・11月で三回、安達高校ラグビー部にも貸し出しをした。引続き翌年度も芝の養生をしていけば、子どもたちが裸足で遊べる綺麗な芝生グランドにすることができそうだ。
11月、九州と東京の方々からの御寄付で、二本松市街からこのグランドへ子どもたちを送迎する為のマイクロバスを購入。
『会計報告』
〈収入〉
・マイクロバス購入費としての御寄付 ¥5,100,000
〈支出〉
・グランド契約費用 ¥30,000
・グランド水質調査費用 ¥21,000
・グランドトイレ汲取料 ¥15,876
・除染用重機のレンタル・購入・修理費用 ¥380,244
・芝生ポット費用 ¥2,016,840
・肥料代 ¥67,470
・スプリンクラー設備工事費用 ¥1,800,000
・プール設置費用 ¥510,874
・マイクロバス代 ¥4,999,400
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-¥4,741,704
6.地域の放射線量を下げる為の、除染作業に関する事業
『概要』
原発事故以降、前年度は知人の個人宅や近隣の幼稚園など、法人メンバーと個人的に繋がりのある方から依頼を受け、除染作業を行うことが殆どであったが、本年度は真宗大谷派を通じ、二本松市外からの依頼ももらい、除染作業を行った。
8月、真宗大谷派支援センター郡山倉庫の開設に伴い、敷地内を高圧洗浄機による除染。
9月、二本松ちょうちん祭りの子どもたちのお囃子練習場である、二本松市竹田地区ポケットパークと竹田町公会堂を除染。高圧洗浄・表土剥ぎ・竹の伐採。
9月、岳温泉グランドの駐車場を高圧洗浄機による除染。
12月、真宗大谷派原町別院を除染。
『会計報告』
〈収入〉
・真宗大谷派支援センター郡山倉庫の除染 ¥792,435
・真宗大谷派原町別院の除染 ¥1,105,467
〈支出〉
・除染にかかる経費(備品代等) ¥274,233
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¥1,623,669
7.「福島産」の風評被害を軽減する為の、特産物の販売に関する事業
『概要』
前年度に引続き、二本松市の市場を中心に食品の放射能測定を行い、測定結果をホームページにて公開。セシウムを取り込み易い注意すべき品目を知ってもらい、福島産でも放射能汚染のされていない品目が多くあることを世間に認識してもらうべく、事業を行った。
『会計報告』
ホームページ運営が主な事業内容であり、会計報告事項はなし。
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【管理費】
・燃料費(全事業・事業外の分も含む) ¥848,049
・所有車両にかかる経費(保険代・車検代等) ¥965,193
・人件費 ¥2,400,000
・通信費 ¥423,916
・事務費 ¥51,500
・作業備品/事務用品/事務機器等の購入費 ¥929,748
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-¥5,618,406
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【収支合計】
1.食品放射能測定室に関する事業 ¥1,490,758
2.定期的な一時疎開の促進に関する事業 ¥0
3.放射能有識者を呼んでの講習会に関する事業 -¥1,396,500
4.スポーツイベント・親睦に関する事業 ¥0
5.スポーツ教室に関する事業 -¥4,741,704
6.除染作業に関する事業 ¥1,623,669
7.特産物の販売に関する事業 ¥0
事業目的別以外の御寄付 ¥5,804,194
入会金 ¥340,000
管理費 -¥5,618,406
前年度繰越金 ¥2,891,679
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平成24年度収支合計 ¥393,690
以上。
平成25年6月6日
NPO法人TEAM二本松
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